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成長し続ける企業の要件

ビジネス 起業

最近、リクルート楽天、他優良なスタートアップ企業の方から

話を聞く機会があった。

視野・視座が広がり、起業する際の役にも立ちそうだったので

「成長し続ける企業」をテーマに考えを整理してみる。

 

成長し続ける企業の代表「リクルート

「成長し続ける企業」という点において、

特に印象づけられたのは、リクルート

 

創業: 1963年8月26日

有名な社訓: 自ら機会を作り出し、機会によって自らを変えよ

ポリシー: 「リクルートの使命は、どれだけ人を集めるかではなく、生活者、消費者と企業を結びつける、『マッチングプレーヤー』としての役割を担うことです。よい就職ができた、よい人材を獲得できたと、双方に満足いただけるサービスをいかに提供していくかに重点を置いています」

(引用: リクルート、成長加速の”3段ロケット” | 企業戦略 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準)

 

何よりリクルートの方に話を伺っていて感じたのは、

50年以上の歴史をもちつつ

未だに挑戦者としての気概を社員一人一人に与え、いや、引き出し、

継続的な飛躍を狙っている点。

また、オンライン・現物問わず、またその融合により、

広い事業ポートフォリオを実現し、かつ、広義の仲介業をメインにすることで、

それが安定した高収益性をもたらし、挑戦を後押ししている。

 

その挑戦の一端として、最近ではAirレジなどに見られる、

これまでの営業をベースにした仲介ではなく

技術を基礎としたサービス提供も拡大させている。

https://airregi.jp/

 

そこで、挑戦に伴うのがリスク(不確定さ)。

リクルートでは、挑戦についてはそのプランニングや予算管理も含め

大きな裁量を持って現場のマネージャーをはじめとしたメンバーに与えているものの

撤退については、特にその上層部を中心に判断をしており、

一定リスクの取り方が上手な印象も受けた。(当然といえば当然か)

 

リスクの取り方でいうと、

楽天では、スモールスタートといった考え方が強いらしく

小さく始め、成功したのちに、大きく事業を拡大させるというアプローチが

取られる傾向があるとのこと。(これも当然といえば当然か)

ただし、楽天の場合は、事業が比較的トップダウン

高速である反面、第三者的な観点を挟みにくい。

そのため、直近はその打破のために社内コンサル的な部門も設立されているとのこと。

 

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蛇足で、ゲームビジネスなどは、スモールスタートでいくら成功しても

後発の大手競合に食われてしまうので、

一定、初期から完成度・コンテンツ量をもたすために投資が必要になりがちだが、

どうにか、このスモールスタートに近づけるよう、

リスク緩和を行うプロセスを取れると一つの発明かもしれない。

 

例えば、社内に仮想アプリマーケットを用意し、

そこに社内のだれもがアプリをリリース可能にし、

フィードバックをもらえ、またそこでの継続プレイ率や、

仮想通貨の消費量などを監視できる仕組みを設け、

そこから自動で事業の投資価値を計測し、見込みがあるものに積極投資を

行うことなどができると理想的か。

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「成長し続ける企業」の話に戻ると、

肝要なのは、

起業家精神(アントレプレナーシップ)を始めとする素質と覚悟をもった人材を集め、

彼らに相応、もしくは拡張した挑戦の可能性を与え成果に見合った評価・昇進を行う。

そして、こういった枠組みがあることをメッセージングとして常に意識すること。

 

例えば、リクルートでは、企業内の所属変更の制度があるらしく、

転属を希望し、転属先が許可した場合、元の部署では引き留め権限がないとのこと。

そのため、マネージャーは、部下にパフォーマンスを十分に発揮できる職務を与え

キャリアパスを発展させ、また、満足度の高い就業を実現することが

自然と求められる。

こういった制度を用意し、また、社員へのメッセージングとしても

実際に活用していくことで、自然と免疫・代謝が保たれるように感じられた。

 

自分が起業する際には、こういったことを肝に銘じ、組織を強めたい。

 

次の項目では、こういった「成長し続ける企業」の要件について

会社を、個人・組織・企業の3つのレイヤーに分け、代表される要素を記す。

 

成長し続ける企業の要件

要するに、以下の3点に集約される。

・個人レベル: 起業家精神(アントレプレナーシップ)

・組織レベル: 客観的評価機構

・企業レベル: 明確で着実なビジョン

 

個人レベル: 起業家精神(アントレプレナーシップ)

今回、すでに成熟しつつある中で、さらに進化を遂げている企業から

多くを学んだ。

 

その中で、企業の継続的な成長には

起業家精神を尊重し、それをすべての従業員に期待することが

極めて重要だと感じさせられた。

ここでいう「起業家精神」とは、以下を含むものである。

 

・高い視座

(マネージャー、部長、経営企画、取締役、社長、投資家、競合が何を思うか)

・成し遂げたいビジョンをビジネス的要件や野心・問題意識から導く力

・その実現のための計画・推進力

・結果へのコミットメント

 

サービスは、そこに進化を伴わない限り、

いつか飽きられるか、もしくは、洗練された新たなサービスに駆逐される。

社員一人一人が、この感覚を持ち、

日々進化・飛躍するための種を探しつつ、実際に形にして進み続ける企業は、

当然、そうでない企業と比にならない飛躍を遂げる。

そして、利益を生まないサービスは、人を雇う力を失い、

結局、従業員やその家族を不幸にする。

 

もちろん、企業はあらゆる人種・役職の集合体であり、1つの組織である。

ただただコーディングが好きなエンジニアもいれば、品質の高い絵を描きたいデザイナーもいる。

企業のビジョンに同意するものもいれば、興味を抱かないものもいる。

彼ら"プロフェッショナル"は、正直、それをできれば個人としては満足する。

多様性を尊重できることは、

彼らに代表される、尖った人材の確保を容易にするため

企業にとって都合のよい側面はある。

 

しかし、これまで共に仕事をした中で、

そういった尖ったスキルに頼って生きてきた人間で

プロジェクト運行上、輝く人間はいた試しがない。(あくまで自身の経験上)

大概、コミニュケーションスキルや、QCDなどの概念を欠き、軋轢を生みやすい。

 

とすると、一種のバランス感覚やビジネスマインド、起業家精神

併せ持つプレイヤーを、自身の企業では歓迎したい。

芸術性の高いUIよりも、使い勝手の良い調和のとれたUIが優れ、

個性的で卓越したコードよりも、保守性や可読性の高いコードの方が望まれる。

エンジニアの場合は、アンテナの高さや、プロセス改善自体に興味があるかも

一つの鍵となるが。

 

改めて、鍵は社員一人一人の起業家精神

そして、それを後押しする制度とメッセージング。

 

組織レベル: 客観的評価機構

企業が成熟するほどに、欠如しがちと思われるのが客観性。

過去の栄光や歴史は、容易に人を驕らせ、疑念を埋もれさせる。

結果、うさぎと亀の昔話でいう、うさぎになりさがる。

 

そこで重要なのが、客観性。例えばの観点は下記の通り。

いずれも数値に落として相対性を確認できると理想的。

<企業>

井戸の中から井戸を良くしようとするのでなく、井戸の外から俯瞰する。

他社との現場のビジネスマンレベルでの交流を図れれば理想。

 

<組織>

脱・仲良し経営。中立性、客観性を保つために

社内コンサルでも、外部コンサルでも、客観的に評価を行う立場を設ける。

 

<サービス>

事業、サービスの客観評価の積極的な導入。カスタマーやクライアントに

どう評価されているか、どうしたらそこに改善の余地があるかを把握する。

また、リリース前の機能についても、同様に客観的評価を尊重し、判断基準に加える。

 

ちなみに、社内での企業改革に向けた提案 / コンサルに対して、

眉をひそめるようでは、その会社に未来はないと思った方が良い。

提案者は、その会社を見捨てていない、

むしろ、倒産してほしくないと切に願う一人であることを忘れてはならない。

自身が、経営判断に疑問を抱いたことはないか、

"経営判断"という名前だから触れられないものだと思って鵜呑みにしていないか、

間違っていると思ったのに結局問題提起を行っていないまま過ごしていないか、

一度、考えてみて欲しい。

そういったアイディアの一つ一つは、本来、企業の寿命を長くし、

また、あなたのキャリアや年収を引伸ばすための、材料となるはずだ。

 

企業レベル: 明確で着実なビジョン

ここまで、個々人の起業家精神や、組織の客観性の重要性に触れたが、

大前提として重要な概念を最後に記す。

 

それは、企業としての明確で着実なビジョンの重要性だ。

ビジョンは、読み手や読む角度によって、展望、道標、目標などとして受け止められる。

ちなみに書き添えた言葉の意味については、

"明確さ"は、当然、ステークホルダーに誤りなく、今後の期待値調整を行うため。

"着実さ"は、期待が信頼に足ると示すことで、企業の理性を示すため。

 

このビジョンを明確に描くために必要なことは、

現在が既に、あるビジョンの途上であるという自覚に他ならない。

ビジョンに途切れがあるのは企業として怠惰そのものである。

個々人のキャリアやモチベーション管理でも用いられる人事手法に、

Management By Objectives(MBO)という言葉があるが、

個々人を包含する企業そのものについても同じこと。(程度が低い話ではある)

 

では、どの程度の期間を見越し、

どの程度の粒度でビジョンが描かれていると良いのだろうか。

 

継続的に成長したい気持ちは当然あるので、遠い未来まで描きたい可能性はあるが

そこは"着実さ" = 信頼と相反するものを生み得る。

そのため、まず5年を描くことが望ましいと考える。

比較的に、時流や社会現象の予測が立ちやすい範囲とも思われる。

例えば、自身が勤めていた金融コンサル企業や、例えば楽天のVision2020なども

5年程度を見越し、将来をデザインしている。

 

次に、その粒度だが

ビジョンは、人を突き動かす指標となるものであるべき。

そのため、噛み砕いて、事業や日々の業務レベルに落とせるように、

数値となって示されることが望ましい。

 

個別部署での数値までは論じないにせよ、ある程度の根拠と見通し、また熱意をもって

事業ポートフォリオや注力事業がどのように変化し、その結果として、

最終的に売上や利益がX%成長 = X億円達成といった形で示されるべきである。

 

  

以上、改めて整理すると、最近の各社の話を通じ、

以下の3点が「成長し続ける企業」にとり、肝要であると見受けられた。

 

・個人レベル: 起業家精神(アントレプレナーシップ)

・組織レベル: 客観的評価機構

・企業レベル: 明確で着実なビジョン

 

この記事が、皆さんの企業の改善において

少しでもお役に立てば、幸いです。