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金融系企業内の役割分担(フロント?バック?ミドル?)

特に職種の異なる人に対して、自分がどんな仕事をしていたか、
興味持って聞いてもらえるだけに話すのが苦手なので、その練習も込みで
自身のエピソードや、その業種に就いたことがないと知らないような知識をたまに書き残そうと思います。

第一回の今日は、大学卒業して初めて勤めた金融コンサルで学んだことの一端をご紹介します。
ググったら出てくるものかと思いますが、自分の言葉で伝えられるようになることが目的なので悪しからず。

金融系企業内の役割分担

みなさんも聞いたことがあるかもしれませんが、
銀行や証券会社など、金融機関は大きく以下の3つの役割で部門を呼び分けています。

部門名 役割
フロントオフィス 収益を挙げる部門の総称。いわゆる、株式債権、為替の取引等を行う部門のこと。
ミドルオフィス フロントオフィスは個人の精鋭の集合体。彼らの全体感、バランス感を司るのがミドルオフィス。
所有する資産(株式や為替等)の総量を管理し、かつ、それらが未来にどの程度の確率でどういった変化をしえるのか、リスクを予測・把握し管理する部門。
バックオフィス 上記に該当しないような、法務や財務、人事などの裏方部門。

世界の金融市場

世界には、東京、ニューヨーク、ロンドンなど数多くの金融商品の取引市場があります。
それぞれ、取引時間が現地時間の日中(雑)を基準に設けられているので、
同時に全ての市場が開いていることはなく、順々に世界の市場が開いたり閉まったりします。
徐々に取引時間の拡大も進んでいますが。

そもそもフロントオフィスはどうやって儲けてるのか

世の中には、たくさんの金利があります。
高利貸しが課すのも金利。銀行が住宅ローンで課すのも金利カイジがよく悩まされるのも金利

純化すると、金融機関は、この金利差を見いだすことで利益を得ています。
ただ扱う商品が、株式や債権、為替といったものが主という点は異なりますが。
株式も債権も、結局は買った金額に対して、いくらの利益がつくか利率の世界に集約できます。
利率で評価できるということは、将来もたらすだろう価値から、現在それがいくらの価値なのかを逆算できることになります。

なので、その現在あるべき価値と、実際の市場価値にずれがあるところは、つまり利鞘/損がでる場所となるのです。
賢くないとできないし、理性的な仕事なのですが、金を転がしているだけで何も生んでいないと言う人がいるのも分かります。
その人たちのおかげで、日々の生活を豊かにできている人々がいるのも事実です。
が、自分もその意義を見出せずに、その業界から離れた一人でした。

ミドルオフィスの魅力

ミドルオフィスの業務支援ソフトウェアの開発に携わっていたことがあるのですが、とても面白かった記憶があります。
金融機関に古くからあるシステムや、同時に開発をしているシステム、それらを統合する中心人物となるのがミドルオフィス向けのソフトウェア。

あのシステムではあの数値は小数点N桁まで扱っていて、あそこではあの数字はゼロ埋めM桁になっていて、
そんなシステムがいくつも連なっていて、、
といった具合で、システム間のインターフェースを整えることだけで十分に一大事業。
それを受け取って初めて、内部の計算に至れます。
(銀行内のシステムは1社で全て構成されている訳でなく、システム毎に入札?なのか複数のメーカーにより各システムで構成されています。)

ミドルオフィスでは、取り扱っている全株式や債権の終値などの情報を一気に取り込み、
資産価値を再評価し、LIBOR, TIBORといった金利データ等の要因も取り込むことで、
現在保有する資産の、統計的な安全度/リスクの程度を算出することを可能にしています。
当時は新人で、途中参加だったので根っこの部分には関われず、
システム間インターフェースのテスト設計/実施が主務でした。
なので、今思うと少し残念でしたが、要件定義などはきっと挑戦的で好奇心を刺激されるものだったことでしょう。

働く女性

そういえば、なぜか金融機関のシステム統括部門では、女性が活躍しリーダーとなっているケースを多く見かけました。
もしかすると、男性には現場一筋かその延長で働かせたい反面、出産などで現場を一度離れたフロントオフィスの女性には、
業務を理解した上でシステム部門などの、当時は少し亜流な部門で活躍してもらうことが
金融機関としてのリソースの最適配置だったのかもしれません。
(それを支持するわけでもなく、単純に想像した結果)

おまけ

全然関係ないのですが、ミドルオフィス向けのシステム案件で不真面目エピソードとして最も記憶に残っているのが、
先方の部長さんも含めた飲み会で二次会でカラオケにご一緒した際に、
その方がアニソンが大好きで、一緒に「ライオン / マクロス・フロンティア」を熱唱したのが印象的です。